
犬と猫のにおいの違いは、ペットになる以前から
の生物学的な特徴の違いによるものなのです。
ペットのにおいは気になる?
皆さんは、ペットを飼われていますか? また飼ったことはありますか?犬にしろ、猫にしろ、癒されますよね。
特に室内飼いしていると、情が移ってしまい、家族の一員のように感じます。ただ、ペットには人と違うペット特有の“におい”があります。飼い主にとっては、“愛おしいにおい”かもしれませんが、お客様にとってはそうではないかもしれません。今回は、犬と猫のにおいについてのお話です。

猫のにおいについて
猫は犬のような体臭はあまりしません。これは、猫はアポクリン汗腺の分布が限られており、皮脂腺も犬ほど活発ではないことにあります。また、猫は頻繁にグルーミング(毛づくろい)をする為、唾液によって皮膚や毛が清潔に保たれ、体臭を抑える結果となっています。ただ、体臭があまりしない一方、猫の糞尿は、⽝よりも臭いといわれています。
尿:猫は水分を効率よく体内で利用する動物で、排尿量が少なく、尿が濃縮されているため、尿素やアンモニアの濃度が高くなり、強い臭いを放ちます。また、縄張りを示す役割を持つフェリニンという特有のにおい成分が含まれています。
糞:猫は完全な肉食動物であり、食事中のタンパク質が非常に多く、その消化過程で、硫化水素やメタンチオールなどの臭いの強いガスが発生します。これが糞の臭いの主な原因です。

なぜ、犬と猫で、基本的ににおいが異なっているのか?
犬は狼から進化したといわれています。狼は群れで行動することが多く、その優れた嗅覚を通して、においもコミュニケーションの一つであると考えられています。群れで狩りを行う時も、聴覚や視覚のほか、嗅覚も大事な役割なのです。
一方、猫はライオンやトラと同じネコ科で、基本的に単独で狩りをします。
待ち伏せし、獲物に気付かれないように近づいて、一気に捕らえるスタイルですので、体臭で気づかれては困るのです。猫は起きている時間の3分の1を、⽑づくろい(グルーミング)に費やしているといわれますが、これは⾝だしなみのためだけではなく、狩猟の成功確率を上げるための本能的な行動だったのですね。
日向ぼっこをしているうちの子猫を見ると、とてもそのような本能を受けついているとは想像できませんが・・・
