においをめぐる快・不快の不可解
「異性の好みは、においで決まっている」そんな話題が、かつてTVで紹介されたことがあります。もしかすると、校舎やオフィスの廊下ですれ違っただけなのに好きになってしまったという「一目惚れ」の謎には、“におい”が関係しているのかもしれません。
女性の「一目惚れ」は、「一嗅ぎ惚れ」なのかも?
いまから20年ほど前、スイスの動物学者がTシャツテストを行いました。40数名の男性が2日間着たTシャツのにおいを、40数名の女性に嗅いでもらい、においの好き嫌いを調査しました。Tシャツテストの際、女性が「好みだ」と答えたのは、多くが「自分の遺伝子型と最もかけ離れた遺伝子型をもつ男性」のTシャツだったといいます。ちなみに同様のテストで男性には、そういう傾向は見られませんでした。
このTシャツテストからは、“においで本能的に好みの異性を、女性は嗅ぎ分けている”ことが想像できます。ということは「一目惚れ」は、「一嗅ぎ惚れ」なのかもしれません。
「一嗅ぎ嫌いされる」においだけは、消したい!
気になる人がいる限り、においは消したいものです。
たとえば加齢臭。加齢臭の原因は、目には見えませんが、ノネナールと言う物質です。
ノネナールは、脂肪酸と酸化した脂質でできており、40歳くらいになると分泌が増えます。これに汗が加わり、独特な加齢臭になるというのです。
男性特有と思われがちですが、女性にもある加齢臭は、嫌われる“におい”の代表。
「一嗅ぎ惚れ」される“におい”をまとうのは難しくても、せめて「一嗅ぎ嫌い」される加齢臭は消したいものですね。
薄いと不快なのに、濃いと清涼?
においをめぐる快・不快には、とても不可解なところがあり、それは、においそのものの不思議な性質にもかかわっています。
“においが弱ければ、それほど不快でないのに、強くなれば不快感が増す”というのは、多く経験することですが、においによっては、その逆もあります。
たとえば、スカトールというにおい。薄いと糞便臭といった最悪の悪臭がするのに、濃くなると清涼感のあるにおいに変わるというのです。不思議な気がしませんか。次章は、「においを消すことの難しさ」についてです。
次章は、「においを消すことの難しさ」についてです。
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