REPORT Ⅱ-03 2017.01.11 国際宇宙ステーションの「きぼう」から 長期飼育マウスが全数、地球へ帰還
「きぼう」日本実験棟の小動物飼育ミッションで
飼育ケージに使われた、フジコーの光触媒シート
大西宇宙飛行士の地球への無事帰還のもようを、TVでご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
じつは、ほんの少し前、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟から、地球に無事帰還した集団がいます。
それが、大西宇宙飛行士によって、35日間にわたって実験棟内で飼育ミッションが行われていたマウスたちです。
マウスの飼育ミッションは、これまで欧米やロシアでも行われてきましたが、宇宙から無事に地球に還すのは大変難しかったといいます。 その課題解決のためにJAXAが行った対策が、それまでの「集団飼い」から各匹個室の「個飼い」とすることでした。その他にも様々な工夫が“個室”に対して行なわれていますが、その一つが、飼育ケージの内側に貼られた吸水シートです。
ここには、飼育ケージ内の消臭・殺菌効果を高めるべく、フジコーの光触媒がコーティングされていました。
これにより、マウスのより快適な環境が期待できるというわけです。
異なる重力環境下での飼育という世界初の成果
次世代仔マウスも誕生
今回の実験の大きな特徴は、マウス12匹の半数ずつを、ISS内の微小重力(μ〈マイクロ〉G)と人工的につくりだした地上と同じ重カ(1G)という2つの重力環境で飼育するという点。
老化や寝たきりによる骨量の減少や筋肉の萎縮などを解明し、高齢者医療や新薬開発につなぐ研究の一環だということです。また個飼いなので、1匹単位でカメラ映像を通じ地上スタッフを含む研究者が観察できたことも世界初の成果だそうです。
もちろん、マウスの全数生存状態での帰還は世界初の快挙。帰還したマウスからすでに次世代の仔マウスが誕生したそうです。初めての試みである個飼いを筆頭に、餌や水の与え方など多くの工夫がいっぱい詰まった個室がマウスたちの健康に貢献した結果であると言え、日本の技術の高さを世界に示すことができたのではないでしょうか。
フジコーの光触媒技術も、それに少しは貢献できているとすれば、うれしい限りです。
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