株式会社マスクフジコー

JAXA × FUJICO

REPORT -01 2015.08.07 マウス飼育ケージの空気を、きれいに 宇宙での動物飼育環境に、光触媒を

JAXA:こうのとり外観

打ち上げまで、カウントダウン!
光触媒技術搭載のマウス飼育ケージ、宇宙へ

宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機のH-IIBロケットによる打ち上げ日時、2015年8月16日22時01分頃(日本時間)が迫ってきました。今回「こうのとり」には、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟で行うマウス飼育用の“ケージ”が積み込まれます。マウスに先立って宇宙に旅立つこの飼育ケージには、じつはフジコーの光触媒技術が使われています。

JAXA:研究用メダカ

植物、メダカと進んできた
宇宙での生命観察
マウス飼育には「におい・菌」の対策が必要でした

「きぼう」での生物を対象とした研究は、微生物、植物、メダカと進んで、いよいよ哺乳類・マウスを対象に。マウスを飼う“軌道上飼育ケージ”の開発で問題のひとつとされたのが、排せつ物等による「においや菌」を、いかに抑えるかでした。この消臭・殺菌のために使用されることになったのが、光触媒技術なのです。

フジコーの光触媒は、図のように、光触媒を直接溶射(*2)する方式です。そのため、従来の溶剤に溶かして塗布する方式と違い、非常に純度の高い被膜ができ、光触媒効果が非常に高いと言われています。それでも、可視光線の100ルクス程度という条件は非常に厳しく、より高い光触媒反応を発揮するための工夫と実証実験が続けられています。

JAXA:マウス飼育ゲージのイメージ図

「個飼いケージ」という「マウスの個室」を、できる限り快適な環境に

「きぼう」で実施されるマウスの飼育は、これまでの「集団飼い」ではなく「個飼い」だそうです。飼育の条件を揃え体重の増加などの成長のばらつきを抑えることができる「個飼いケージ」は、いわば「マウスの個室」。できる限り快適な環境にしたいとJAXAは、飼育ケージに換気ファンや消臭フィルタに加えて、消臭・除菌力にすぐれた光触媒をコーティングした吸水シートをケージ内に張り巡らせることにしました。

打ち上げまでには、宇宙ステーションの小さな飼育装置内の「消臭・殺菌」といった難しさのクリアや、マウスにとっての安全性の確保が必要でした。(詳しくは次章で!)

宇宙ステーションの消臭・除菌

  • 宇宙ステションの「におい」?!
  • 宇宙ステション内の消臭!その難しさ
  • 光触媒で、宇宙ステーション内を消臭

マウス飼育ケージの消臭・除菌

  • マウス飼育ケージの空気を、きれいに
  • 北九州発の光触媒「消臭・殺菌」シート
  • 国際宇宙ステーションの「きぼう」から