REPORT
I-02
2016.01.20
宇宙ステーション内の消臭!
その難しさ
エネルギー消費を抑え、極力メンテナンスフリーに<制約編>
宇宙ステーションでの長期滞在で
有人宇宙開発が身近に!
昨年末の油井亀美也飛行士の、国際宇宙ステーション(ISS)からの地球への帰還は、感動的でしたね。H-IIAロケット29号機の打ち上げ成功、小惑星探査機「はやぶさ2」スイングバイ、「あかつき」の金星周回軌道投入と、宇宙を巡るビッグなニュースが続いていますが、日本人飛行士による相次ぐ長期滞在ミッションの成功は、有人宇宙開発の夢がどんどん身近になっていることを実感させます。
宇宙ステーションの居住環境の
整備消臭も、そのひとつです
有人宇宙開発の発展のためにも、宇宙ステーションや宇宙船内の居住環境整備(狭い閉鎖空間で、複数の人が長期間、快適に暮らす工夫)が重要です。宇宙船内の消臭・除菌もそのひとつで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、研究を進めています。
エネルギー消費は最小限に、
交換品も極力出ないように等、
宇宙での消臭・除菌にあたって望まれることは多い
研究にあたっては、宇宙空間・宇宙船内での消臭に特有な制約が、いくつもありました。まずは、使用するエネルギーについてです。宇宙という地上から隔離された空間では、エネルギーは特に貴重です。消臭効果等の発揮において、電力などのエネルギーを極力使用しないことが望まれます。また、交換品や補充品もできるだけ出ないようにする、もしくは必要な場合でもできるだけコンパクトにすることも求められます。写真右は、ハッチを開けた際の「こうのとり」5号機ですが、補給物資でいっぱいです。
限られた宇宙船内の空間であるがゆえ、交換部品の少ない寿命の長い機器を作ることができれば、地上から持っていく交換品や補充品はできるだけ減らせますし、宇宙飛行士のメンテナンス作業も減ります。当然、コストも最小限になります。こういった発想やそれを実現する高い技術がISSには必要なのです。
こうした制約をクリアするためにJAXAの研究者が試してみようと目をつけたのが、フジコーの光触媒です。北九州の企業が開発した光触媒が、宇宙での消臭の制約にどうチャレンジしているかは、次号で紹介します。
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